Amazonギフト券(以下、「アマギフ」という)を、謝礼として取引先に渡した場合の消費税の取扱いをまとめました。
- アマギフを渡すことによる消費税の取扱い及び会計処理がわかる
- アマギフを渡した側ともらった側の両サイドで理解できる
1. まとめ
結論から先に申し上げますと、アマギフを謝礼として取引先に渡した場合の消費税のポイントは以下のとおりとなります。
- 謝礼の経緯により消費税の取扱いがかわる
- 贈答:消費税が課されない
- 贈答ではない:消費税が課される
2. アマギフの消費税の取扱い及び会計処理具体例
実務上、謝礼としてアマギフを取引先に渡す場合がございますが、消費税の取扱いはどうなるのでしょうか?
「謝礼としてアマギフを渡す=(消費税)課税」というわけではなく、どういう経緯で渡すかで取扱いが変わります。
そこで、アマギフを渡す側(Aさん)ともらう側(Bさん)とに分け、かつ、①購入時、②(謝礼としての)譲渡時(譲受け時)、③使用時のタイミングを分けて解説していきたいと思います。
■ アマギフを渡す側(Aさん)
① アマギフ購入時
まず、アマギフを購入したタイミングでは、消費税が課されません。
会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
商品券 ※ | XXX | Cash | XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
② アマギフ譲渡時
アマギフを謝礼として取引先に渡す場合、その謝礼が「贈答」なのか「贈答ではない」のかにより、消費税の取扱いが異なりますので、以下に分けて解説いたします。
(a) 贈答の場合
贈答とは、具体的なサービスの対価として紐づかない行為(例えば、日ごろからお世話になっているため、アマギフあげます 等の行為)であり、対価性がないことから、消費税の課税取引(具体的には、資産の譲渡等)に該当しないと考えられます。
会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
交際費 | XXX | 商品券 ※ | XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
(b) 贈答でない場合
贈答ではないとは、具体的なサービスの対価として紐づく行為(例えば、セミナーの補助をしてもらったことによる対価として、謝礼としてアマギフあげます 等の行為)であり、対価性があることから、消費税の課税取引に該当すると考えられます。
会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
交際費 仮払消費税 |
XXX XXX |
商品券 ※ | XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
■ アマギフをもらう側(Bさん)
② アマギフ譲受け時
アマギフを謝礼として取引先に渡す場合、その謝礼が「贈答」なのか「贈答ではない」のかにより、消費税の取扱いが異なりますので、以下に分けて解説いたします。
(a) 贈答の場合
贈答は、対価性がないことから、消費税の課税取引(具体的には、資産の譲渡等)に該当しないと考えられます。
会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
商品券 ※ | XXX | 受贈益 | XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
(b) 贈答でない場合
贈答ではない場合、対価性があることから、消費税の課税取引に該当すると考えられます。
会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
商品券 ※ | XXX | 雑収入 仮受消費税 |
XXX XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
③ アマギフ使用時
アマギフを使用して、飲料水を購入した場合、消費税が課されます。(購入するものによって消費税の取扱いが異なりますが、本記事では課税対象のものを購入したという前提としております。)
この場合、会計上の仕訳としては、以下のイメージになろうかと思います。
借方(Dr.) | 金額 | 貸方(Cr.) | 金額 |
雑費 仮払消費税 |
XXX XXX |
商品券 ※ | XXX |
※ アマギフは消耗品や消耗品費勘定で仕訳するケースもあろうかと思いますが、本記事では商品券(資産)としております。
以上、となります。
本記事が皆様にとって有益であれば何よりでございます。
ご拝読ありがとうございました。
※本記事の内容は、公開時(上記をご確認ください)の法令等に基づくものですので、ご留意ください。
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