高額特定資産を取得した場合の消費税の納税義務判定について

高額特定資産

高額特定資産を取得した場合の消費税の納税義務判定の取扱いをまとめました。

本記事で分かること!
  • 高額特定資産がわかる
  • 高額特定資産を取得した場合の消費税納税義務判定についてわかる

目次

1. まとめ

結論から先に申し上げますと、高額特定資産を取得した場合の消費税の納税義務判定のポイントは以下のとおりとなります。

  • 高額特定資産とは、一の取引の単位につき、課税仕入れの額(税抜)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいう
  • 調整対象固定資産の時とは違い、棚卸資産が高額資産の判定上含まれている点相違している
  • 二年前の課税売上高が1,000万円超により通常に課税事業者となる者において、高額特定資産を取得した場合等一定の要件を満たしてしまうと、一般課税による申告が約3年間強制されてしまうため、調整対象固定資産を取得した場合の消費税の納税義務の判定とは相違する

2. 高額特定資産とは?

高額特定資産とは、一の取引の単位につき、課税仕入れの額(税抜)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。
高額資産の判定上、棚卸資産以外の資産の場合はまず調整対象固定資産の判定からする必要がある点留意が必要です。(詳細は以下条文をご参考ください。)

第十二条の四 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、第三十七条第一項の規定の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産(棚卸資産及び調整対象固定資産のうち、その価額が高額なものとして政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下この項において「高額特定資産の仕入れ等」という。)を行つた場合(他の者との契約に基づき、又は当該事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設、製作又は製造(以下この項及び次項において「建設等」という。)をした高額特定資産(以下この項において「自己建設高額特定資産」という。)にあつては、当該自己建設高額特定資産の建設等に要した政令で定める費用の額が政令で定める金額以上となつた場合(第二号において「自己建設高額特定資産の仕入れを行つた場合」という。))には、当該高額特定資産の仕入れ等の日(次の各号に掲げる高額特定資産の区分に応じ当該各号に定める日をいう。)の属する課税期間の翌課税期間から当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間(自己建設高額特定資産にあつては、当該自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間)の初日以後三年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間(その基準期間における課税売上高が千万円を超える課税期間及び第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は第九条の二第一項、第十条第二項、第十一条第二項若しくは第四項、第十二条第二項から第四項まで若しくは第六項、第十二条の二第一項若しくは第二項若しくは前条第一項若しくは第三項の規定により消費税を納める義務が免除されないこととなる課税期間を除く。)における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、第九条第一項本文の規定は、適用しない。
一 高額特定資産(自己建設高額特定資産を除く。) 当該高額特定資産の仕入れ等に係る第三十条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日
二 自己建設高額特定資産 当該自己建設高額特定資産の仕入れを行つた場合に該当することとなつた日

引用元:消費税法第12の4条第1項

第二十五条の五 法第十二条の四第一項に規定する政令で定めるものは、次の各号に掲げる棚卸資産及び調整対象固定資産(以下この項において「対象資産」という。)の区分に応じ当該各号に定める金額が千万円以上のものとする。
一 対象資産(次号に掲げる自己建設資産に該当するものを除く。) 当該対象資産の一の取引の単位(通常一組又は一式をもつて取引の単位とされるものにあつては、一組又は一式)に係る課税仕入れに係る支払対価の額(法第三十条第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額をいう。同号及び第三項において同じ。)の百十分の百に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額(同条第一項に規定する特定課税仕入れに係る支払対価の額をいう。同号及び第三項において同じ。)又は保税地域から引き取られる当該対象資産の課税標準である金額
二 自己建設資産(対象資産のうち、他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等(法第十二条の四第一項に規定する建設等をいう。以下この条において同じ。)をしたものをいう。) 当該自己建設資産の建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の百十分の百に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額(当該自己建設資産の建設等のために要した原材料費及び経費に係るものに限り、当該建設等を行つた事業者が法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなる課税期間又は法第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び保税地域から引き取つた課税貨物に係るものを除く。次項において「仕入れ等に係る支払対価の額」という。)の合計額
2 法第十二条の四第一項に規定する政令で定める費用の額は、同項に規定する自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額の累計額とし、同項に規定する政令で定める金額は、千万円とする。
3 法第十二条の四第二項に規定する政令で定める費用の額は、同項に規定する調整対象自己建設高額資産の建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の百十分の百に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額(当該調整対象自己建設高額資産の建設等のために要した原材料費及び経費に係るものに限る。)の累計額とし、同項に規定する政令で定める金額は、千万円とする。

引用元:消費税法施行令第25の5

3. 高額特定資産を取得した場合の消費税の納税義務の判定

課税事業者(課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になった事業者、新設法人の特例又は特定新規設立法人の特例対象の法人を含む)が、高額特定資産を取得し、かつ、取得した課税期間について一般課税申告をした場合、取得した課税期間以後の3年間は、免税事業者になれず、かつ、簡易課税制度も適用できないこととなります。課税事業者として一般課税が約3年間縛られることになってしまうため、留意が必要です。
なお、基準期間(約二年前)における課税売上高が1,000万円超で課税事業者になった者も当該規定の対象となります。

なお、調整対象固定資産を取得した場合の消費税の納税義務判定については、以下の別記事でまとめておりますので、ご参考ください。
調整対象固定資産を取得した場合の消費税の納税義務判定:https://loki-tax.com/judgment-of-consumption-tax-obligation-when-acquiring-fixed-assets-subject-to-adjustment/

以上、となります。
本記事が皆様にとって有益であれば何よりでございます。

ご拝読ありがとうございました。

※本記事の内容は、公開時(上記をご確認ください)の法令等に基づくものですので、ご留意ください。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次