一括償却資産と中小企業者等の少額減価償却資産 いずれが得か?

一括償却資産 少額減価償却資産 法人・フリーランス

一括償却資産と中小企業者等の少額減価償却資産の取扱いとどちらが節税効果があるかをまとめました。

本記事で分かること!
  • 一括償却資産と中小企業者等の少額減価償却資産の取扱いがわかる
  • いずれを選択する方が良いかわかる


1. まとめ

結論から先に申し上げますと、一括償却資産と中小企業者等の少額減価償却資産のポイントは以下のとおりとなります。

  • 一括償却資産とは、固定資産で1単位20万円未満のもの
  • 中小企業者等の少額減価償却資産とは、固定資産で1単位30万円未満のもの
  • 一括償却資産は償却資産税の対象外だが、中小企業者等の少額減価償却資産は償却資産税の対象

2. 一括償却資産とは

一括償却資産とは、固定資産で1単位20万円未満のものです。

1単位とは、例えば、応接セットの場合、机単体で判断するのではなく、椅子も含めて1単位と判断することになります。(法人税法基本通達49-39)

(少額の減価償却資産又は一括償却資産であるかどうかの判定)
49-39 令第138条又は第139条の規定を適用する場合において、取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは、通常1単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については1台又は1基ごとに、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定し、構築物のうち例えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては、社会通念上一の効用を有すると認められる単位ごとに判定する。(昭51直所3-1、直法6-1、直資3-1、平11課所4-1改正)

引用元:国税庁HP:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/08/12.htm

法人税法上、固定資産は減価償却(普通償却)を通じて、費用化することとなりますが、償却期間は各資産にて定められた耐用年数となり、5年以上のものはよくあります。

一方で、一括償却資産の場合、普通償却をする必要がなく、3年で費用化することになります。具体的には、「固定資産の取得価額÷36か月×当期の月数」により費用化されます。

一括償却資産は、普通償却を採用している固定資産に比べ、一般的に費用化を早めることができますが、廃棄や売却等が生じた場合、上記のとおり費用化する必要があり(法人税法基本通達49-40の2)、この点普通償却より費用化のタイミングが遅れてしまう可能性がある点留意が必要となります。

なお、使用期間が1年未満または取得価額が10万円未満の少額の固定資産の場合、一時に費用化できるため、該当資産はこちらで費用化する方が良いと考えられます。

(一括償却資産につき滅失等があった場合の取扱い)
49-40の2 令第139条第1項に規定する一括償却資産につき同項の規定の適用を受けている場合には、その一括償却資産を業務の用に供した年以後3年間の各年においてその全部又は一部につき滅失、除却等の事実が生じたときであっても、当該各年においてその一括償却資産につき必要経費に算入する金額は、同項の規定に従い計算される金額となることに留意する。(平11課所4-1追加)

(注) 一括償却資産の全部又は一部を譲渡した場合についても、同様とする。

引用元:国税庁HP:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/08/12.htm

3. 中小企業者等の少額減価償却資産とは

中小企業者等の少額減価償却資産とは、固定資産で1単位30万円未満のものです。

中小企業者等の少額減価償却資産の場合、普通償却をする必要がなく、一時で費用化することになります。

ただし、本規定を適用するためには、法人が「中小企業者等(以下の引用ご参照)」であることや少額減価償却資産の取得価額の合計が300万円に達するまでの金額が限度となる等一定の制限がございます。

この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下(令和2年4月1日以後に取得などする場合は500人以下とされ、連結法人が除かれます。)の法人に限られます。
中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。なお、平成31年4月1日以後に開始する事業年度においては、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)に該当するものは除かれます。

(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人
イ その発行済株式又は出資(平成31年4月1日以後に開始する事業年度においては、自己の株式又は出資を除きます。以下同じです。)の総数又は総額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されている法人
ロ 上記イのほか、その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を複数の大規模法人に所有されている法人
(注) 大規模法人とは、次に掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。なお、(3)及び(4)に掲げる法人については、平成31年4月1日以後に開始する事業年度において、大規模法人となります。
(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人
(2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
(3) 大法人(次に掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある法人
イ 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
ロ 相互会社及び外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
ハ 受託法人
(4) 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有されている法人((3)に掲げる法人を除きます。)
ハ 受託法人
(2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人を除きます。)

引用元:国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm

4. いずれを選択する方が得か?

一括償却資産と少額減価償却資産いずれも選択できる場合(固定資産の取得価額が10万円以上20万円未満の場合)、いずれを選択した方がベストでしょうか?

それは、ズバリ、「一括償却資産」となります。

ここまでご拝読頂いた方はびっくりしたのではないでしょうか?

法人税法上、少額減価償却資産の方が一時で費用化できるため、少額減価償却資産の方がいいのではないか?と。

法人税法上の取扱いとしてはご理解のとおり、「少額減価償却資産」を選択した方が有利となります。

しかし、償却資産税という税金を鑑みると、「一括償却資産」一択となります。

といいますのは、「一括償却資産」の場合、償却資産税の対象から除外されているため、税金が発生しませんが、「少額減価償却資産」の場合、償却資産税の対象から除外されていませんので、税金が生じる可能性がございます。

したがって、30万円未満の固定資産を取得した場合、以下のような選択をするのがベストかと考えます。

10万円未満 10万円以上20万円未満 20万円以上30万円未満
少額の減価償却資産

※償却資産税対象外

一括償却資産

※償却資産税対象外

中小企業者等の少額減価償却資産

※償却資産税対象

以上、となります。
本記事が皆様にとって有益であれば何よりでございます。

ご拝読ありがとうございました。

※本記事の内容は、公開時(上記をご確認ください)の法令等に基づくものですので、ご留意ください。

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